「当たり前の不調」から抜け出すために|便秘・腹痛・日中の眠気からの脱出とグルテンフリー実践記
■「健康だと思っていた」過去の自分
少し前までの私は、自分を「特別に健康でも不健康でもない普通の人間」だと思っていました。確かに食べ物の好き嫌いも少なく、唯一苦手なのはパクチーくらい。食生活も、特別気にせず「普通」だったと思います。
朝ごはんは、食べたり食べなかったり。食べる時は家にある食パンや菓子パンに牛乳入りのコーヒー。たまに、前日の夕飯の残りの味噌汁とご飯を食べることもありました。
昼はコンビニで買ったおにぎりや揚げ物、ファストフードにペットボトルのエナジードリンク。
夜は妻が用意してくれる一汁三菜の夕飯。外食も、家族とたまにマクドナルドやラーメン、ファミレスなどに行く程度でした。
そんな生活の中で、日中の強い眠気、胃腸の不調、便秘と下痢の繰り返し、そして時々やってくる原因不明の腹痛――。実は「不調」が慢性化していたのです。
でも、それが当たり前になっていた。怖いことに、私はそれを「慣れ」と思い込んでいました。
■グルテンフリーという言葉との出会い
「グルテンフリー」という言葉は、以前からポッドキャストやラジオで耳にしたことがありました。ただその意味までは深く理解していなかったし、正直どこかの健康法の一種くらいのイメージでした。
2025年、私は15年勤めた会社を退職し、無職という立場に。自分と向き合い、「変わる」ことを決意したとき、まず取り組んだのが「健康な身体を取り戻すこと」でした。
その時、あらためて出会ったのが「グルテンフリー」という考え方。
最初に読んだのが、医学博士・内山葉子さんの著書『パンと牛乳は今すぐやめなさい!』。この本を読み進めるうちに、今までの食生活の中で「小麦」が体調不良の引き金になっていたのではないか?と思い至りました。
■いざ実践。まずはパンと麺を断つ
学びを得た次は、実行。これがなかなか難しかった。
家族と暮らす中で、自分だけが食べられるものが限られてくる現実。まず必要だったのは、妻の理解でした。口で説明するだけでは足りないと思い、まず自分で「パンと大好きな麺類をやめる」ことを決意しました。
仕事を辞めた夫が、今度はパンと麺をやめ始めた。妻からすれば、きっと不思議に映ったと思います。
でも、変化はすぐに現れました。
実践から1ヶ月ほどで、腹痛を伴う下痢がなくなったのです。(少し汚い話で申し訳ありません)
この変化を実感した妻は、手料理に小麦粉を使わないように工夫してくれるようになりました。いつの間にか、米粉のうどんや大豆製のパスタなど、私でも安心して食べられる食材を揃えてくれていました。
感謝の気持ちが、自然と込み上げました。
■「おちちは小麦ダメでしょ?」
子どもたちとの関係にも変化がありました。
以前は一緒にスナック菓子や駄菓子を楽しんでいた休日のひととき。でも最近では、「おちち(=私)は小麦ダメでしょ?」と言って、お菓子を止めてくれるようになりました。
こうして、家族の中で私は「小麦を摂らない人」になったのです。
環境は整いました。
■5ヶ月目に突入、そして再びの不調
グルテンフリーを続ける中で、頭痛・腹痛・便秘・下痢・眠気といった不調は徐々に改善されていきました。
しかし、5ヶ月目に入った頃――。
またお腹の調子が悪くなり始めたのです。
「何か間違えたのか? 小麦がどこかに混じっていた?」
一瞬、軽くパニックになりそうになりました。
■FODMAPという新たな気づきとビールの罠
その時に出会った新たなキーワードが「FODMAP(フォドマップ)」。
これは、小腸で吸収されにくく、腸内でガスを発生させやすい糖質群のこと。
具体的には、小麦、にんにく、玉ねぎ、乳製品、果物の果糖などが該当します。
たとえ小麦を避けていても、FODMAP食品に偏ってしまうと、腸が過敏に反応してしまうことがあるのです。
さらに、もう一つの落とし穴――それがビール。
私はお酒に強くはありませんが、実はビールや発泡酒が大好きです。ですが、それらも「麦」から作られており、グルテンを含んでいたのです。これも思わぬ見落としでした。
■失ったもの、そして手に入れたもの
グルテンフリーを始めて、確かに好きだった食べ物を断つことにはなりました。
でも、その代わりに、心と体の健康という何よりの土台を手に入れつつあると感じています。
実際、米粉のパンやパンケーキ、大豆や米粉で作った麺類など、グルテンフリーの中でも工夫すれば美味しく楽しめるメニューはたくさんあります。
たとえラーメン屋さんに入っても、私はラーメンは食べられなくても、チャーハンは食べられる。
そうした選択肢の中で、「笑顔で健康でいられる自分」を維持できるというのは、本当にありがたいことだと思っています。
■これからも、小さな工夫と家族の笑顔で
きっとこれからも、また新たな壁が出てくるかもしれません。
でも、それをひとつずつ越えていくことで、「過去の不調」は「過去のもの」になっていくはずです。
私がグルテンフリーから学んだのは、少しの工夫と家族の支えがあれば、人生はちゃんと変えられるということ。
これからも、健康で笑顔の自分でいるために、自分の選択を続けていこうと思います。
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